英語の上達に性格は全く関係なかった!!
話したいことがあるのに、外国人を前にすると、「間違えること」を心配し過ぎるあまり、言葉が出てこない。私のスクールでも、クラスメイトの前だと、こんな「間違い恐怖症」が邪魔して、伝えたいことを「伝えきれず」にもどかしい思いをしている人が少なくありません。
私もかつてはひどいものでした。
これは性格の問題なのであきらめるしかないのでしょうか?
そんなことはありません。
事実、私は特に性格を変えようと努力することもなくその「恐怖症」を乗り越え、英会話を得意にし、英会話講師になりました。
その秘訣はちょっとした「日々の取り組み」にあったのです。
◆ 積極性が英語が上手くなる鍵ではなかった!!
「英語は間違いながら上達していくもの。間違いを恥ずかしがったり恐れたりして話さないというんじゃあ、絶対に上達しない。勇気を出して、思い切って、どんどん積極的に話さなきゃ・・・」
皆さん、誰でも一度は、こんなアドバイスを受けたことがあるんじゃないでしょうか?
確かに、積極的に話そうとしなければ、英語は、一向に上達していかないだろうことは、わかります。
それは、わかるんだけど、いざ、話そうとすると、どうしても
「変な英語を使って笑われたら恥ずかしいな」
と心配してしまうんですよね。
私の場合、特にこの傾向が強かったことを覚えています。
本当は話したいことがあるんです。
そして、その内容を伝えるための英語もある程度は頭の中に用意してあるんです。
でも、
「間違ったら恥ずかしい」
という心配が一度、心をよぎると、もうどうしようもないんです。 私はその頃、
「間違ってもいいから、とにかく口を開いて話そうとすること」
と言われる度に、性格を変えろと言われているように感じたものでした。
私の場合は、クラスなどで他の日本人がいる前だけでなく、飲み会などのリラックスした状況でも、自分の言っていることが
「相手に通じなかったらどうしよう。」
とすぐに考えてしまうほど、重症でした。
そのため、話したい話題があったり、外国人達の話題がすごく面白かったりして、英語をものすごく使いたいのにも関わらず、すごすごと聞き役にまわることが多かったのです。
また、たまになんとか言葉を発する機会を得たとしても、自分の実力の半分以下の言い回ししか言えなかったり、外国人の助け船を借りて、なんとか会話を成立させる「クセ」がついてしまっていました。
このままではいけないと思い、実際、がんばって性格を変えようとしてみたこともあります。
例えば、常に外国人と一緒にいれば、少しは積極性も出てくるかもしれないと考え、時間があれば、外国人達が集まりそうな所へ出向いて行ったりもしてみました。
英会話喫茶みたいな所や外国パブのような所ですね。
だけど、何も変わりませんでしたね。
そこで、悟りました。
「この年から性格なんて、そう簡単に変えるコトなんてできないんだ」
、ということを。 こんな「間違い恐怖症」とも言える性格にも関わらず、英語を話すのが嫌いになるということは全くありませんでした。むしろ逆で、どんどん英語をもっと話したい、という気持ちが強まっていったし、外国人の友達だって作ってみたいという強い願望があったんです。
そして、今にして思えば、この強い願望がカギだったのです。
◆ これなら間違っても大丈夫!頭の中だけで行う 「一人スピーチ英会話習得術」
だけど、いくらそんな強い願望があっても、そんな性格だったので、その頃は、外国人の友達を作ることが雲をつかむような話に思えました。
でも、何とかしたい、という思いは強まるばかりでした。
そこで、一計を案じ、千葉県が主催する日本語講師のボランティアの仕事をすることにしてみたのです。つまり、日本語講師の立場を借りて、外国人達を「生徒」に見立てて話すのなら、もっと気楽に話せるのではないかって思ったのです。
しかも、彼らは日本語を習いに来ているわけですし。
そして、ここでの外国人達との出会いが私の英語への取り組みを変えました(性格が変わったわけではありません)。
彼らと交友を深めたいという強い思いから、様々な工夫を重ねた結果、性格を変えなくても英会話力を大幅に伸ばす方法に出会ったのです。
でも、私がやったことは何もそんなに変わったことではありませんし、ましてや、とてつもない努力を要するような大変なものでもありませんでした。
それでも結果的に、この練習法に気づいてからは、私の英語は留学中も経験しなかったような急ピッチで飛躍的に伸びていったんです。
これから、そのやり方を簡単に説明しましょう。
英会話を習っている人に共通する思いは、できるだけ早く上達したいということですよね。
理想的には明日にでも突然外国人達と対等に話せるようになれればベストなわけです。
私もいつも、
「自分の英会話力が飛躍的に伸びれば間違いに対する不安もなくなるのに」
って思っていました。
それに「間違いたらどうしよう」という不安は、その場にいる人達を意識しすぎて起こる感情ですよね。
そこで、私は、一人でいる時に、効率良く英会話力を上げるやり方がないか、考えることにしたのです。
そこで思いついたのは、英会話一人練習ともいうべきやり方でした。
この英会話一人練習は最初のうちはなかなか効果が見えませんでしたが、時間をかけていくうちにかなり効率の良いモノになり、着実に私の英会話力を上げていってくれたのです。
このやり方のポイントは、簡単に言えば、外国人と話したい内容をあらかじめ自分で決めて準備しておくことで、実際に彼らと話す際の心理的負担を軽くしていくことです。
例えるならば、結婚式のスピーチなどで原稿を書いて暗唱していくプロセスに近いイメージですね。
人前で話すことに慣れていない人は、原稿を書いて、それを何度も読み返してみる、などの下準備を充実させればさせるほど、緊張感や"あがり"などが解消されますよね。
私の場合も、自分の言いたいことを頭の中で整理します。
この時、なるべくその内容が"魅力的"になるよう工夫をしながらあらすじを考えていくんです。
この段階は無理に英語で考えずに、最初のうちは日本語でやりました。 そして日本語でしっかりとあらすじを整理しておいてから、英訳していくのです。英訳するときも書き出しても良いのですが、できれば、頭の中だけで処理するようにすると良いでしょう。
私の場合は根が面倒くさがり屋だったので、なるべく紙に書くことを避けるようにしましたが、後になって、このほうが効果的であることに気づきました。
実際、話す時には、紙に書いて整理するような時間もないですしね。
また、英訳する時には、辞書もできるだけ使わないようにするほうがベターですね。実際、辞書を使うと、辞書に頼ってしまうクセがつき(というより私の場合は面倒なので引かなかっただけですけど・・)話している時にわからない言葉が出てくると、「辞書がないからお手上げ」という状態になってしまいがちだからです。
それに辞書を使わないほうが自分の知っている知識の整理にもなって、後々、楽になります。知っている知識だけで英文を考えるのって結構いい頭の体操になりますしね。
英会話は結局のところ、「出たとこ勝負」なので自分の知っていることしか使えないのですから。 最後に英訳し英文化した内容を、実際に外国人達と話す前にもう一度チェックしてみました。
これはできれば、人気の無い所などで声を出して行えれば理想的ですが、そうもいかない時は、頭の中だけで、イメージトレーニングを行うだけでもそれなりに効果的でしたね。