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始めに、リスニングセクションの変更点から、確認してみましょう。主に、以下の4点です。 その1:パート1の写真問題が20題から10題へと減った。
はっきり言って、気にするほどのことはありませんでした。 私も音声を聞くまでは、強烈なオージーなまりやアイルランド系のアクセントが出てきたらどうしよう、とドキドキしていたのですが、実際には至ってオーソドックスなものでしたね。 むしろ、イギリスやオーストラリア式の発音のほうが、言葉と言葉をクリアーに区切って発音してくれる感じがするので、言葉がつながりがちなアメリカ式発音より、私達、日本人にとっては聞きやすいのでは、と思ったほどです。 それよりも、私が、「これはかなり違うぞ」って思ったのは、パート3の会話文問題の変更でした。 まず第一に、旧形式に比べて、2倍から3倍の長さの音声を聞き取らなくてはならない点で、これまで以上に高い集中力が要求される点がタフだと思いましたね。 これくらい長い英語の音声を聞き取って、その後で、正確に複数の問題に答えていくためには、英語を頭の中に残しておく「リテンション(記憶・記憶力)」と呼ばれる能力を相当に高めておかなくてはならない、と思いました。 また、もし、音声の内容に途中からついていけなくなってしまうようだと、問題が3題もついているので、一気に、3問とも間違えてしまう、という事態にもなりかねません。 旧形式のように1つの音声につき1つの問題だけであれば、音声を聞く前に、問題文や解答の選択肢の英文に比較的、時間的な余裕を持って、目を通しておくこともできました。 そして、このことがその後の音声のヒアリングの際の、正確な聞き取りを助けてくれるような効果を与えてくれたのですね。 それが、新TOEICだと、上手くはいきません。 1つの音声につき3つも問題がついているので、音声を聞く前にそれらの全てに目を通そうと思うと、これはもう、かなりの「速読力」が必要になるからです。 この際の速読は、まさに英語を読むと同時に頭の中で「意味のイメージが完成」するような高速での、英語の理解スピードが要求されるので、日本語に訳さないと英語を理解できないような状態では、絶対についていけないと思いました。 さらにやっかいなことに、3つの問題自体は、会話音声の話の流れ通りの順番になっていないことが多いのです。 そのため、最初に問題文を読んでおくことができないと、例えば、三番目の問題を解こうとする時にその内容が音声の出だしで話された事だと気づいても、肝心の内容を忘れてしまっているということになりかねないなと感じましたね。 旧形式のリスニングでも、高得点を狙っていくには、英文を読むと同時に理解するような高い速読力は欠かせませんでした。 しかし、新TOEICでのリスニングでは、その感がさらに強まったという印象を受けましたね。 これに加えて、パート4の問題数が10題も増えたのです。 パート4は、もともと、TOEIC受験者が全体的に最も苦手とするパートでありました。 その理由は、先ほども触れましたが、パート4では、リスニングの最もタフな能力と言われる「リテンション」が要求されるからだと言われています。 私達、日本人は、長い英語音声を聞き、理解し、しかも、その後で正確に複数の問題に答えていくために、音声内容を頭の中に留めておく、というような「リテンション能力」を養成することが苦手なのです。 問題数が増えただけではなく、その中身もさらにタフになりました。 1つの音声についての問題数が2題である場合と3題である場合が半々である旧形式と違い、新形式では、全ての音声について3つの問題が出題する形式になるからです。 これは、相当にキツイ変更だと言えます。 リテンション能力に加えて、パート3の話でも触れましたように、音声が流れる前にそれら3つの問題や選択肢に目を通し理解しておくことはたやすいことではないからです。 私は以前から旧形式のTOEICについて、リスニングセクションのパート3と4で要求される読解及び速読の要素を考えると、リスニングとリーディングの問題比率は、実は50:150ではないか、と思っていました。 リスニングセクションの全問題100問のうち、パート1と2の50問を除く、残りの50問は全て、選択肢と問題文が問題用紙に印刷されており、解答する際に、それらの英文をわずか6〜7秒で読んで理解するような能力が要求されているからです。 こらが、新TOEICになると、大げさでも何でもなく、まさしく言葉どおりに、リスニングとリーディングの問題比率は、40:160である、と断言できます。 今回の形式変更を、問題を解きながら実際に体験してみて、速読能力の大切さをつくづく感じさせられたからです。 英文を素早く理解する能力が足りない人にとっては、新TOEICのリスニングセクションは、旧形式をはるかに超えて「タフな強敵」に変化することになるでしょう。 幾つか聞き取れた単語を自分流につなぎ合わせて、何とか、意味を考えて、問題の選択肢の中に、似たような語句が使われているのを探しながら、半分は直感で問題を解く、そんなやり方でも、旧形式のテストでなら、それなりに得点できたかもしれません。 しかし、新TOEICで、そのような問題の解き方をしようとすると、10パーセント、いや、ヘタをすると、20パーセント近くは、スコアを下げることになってしまう可能性があります。 新形式TOEICのリスニング問題は、その意味で、実践的な実力を備えた学習者と、そうでない学習者との間に、これまで以上に大きなスコアの「格差」をもたらすことになるでしょうね。 ただ、これは、逆に言えば、きちんとした実力を持った学習者の能力がより正当に評価されるようになるわけですから、「実力者」の皆さんには、有利な試験になるわけです。
さて、ここまで読んでこられて、あなたは、これまでの取り組みを大きく変えなくてはいけない、というように感じられましたか? 実は、私が解いた後、例の新公式問題集を、TOEIC600点台、700点台の受講生の方々にも解いてもらいました。 そして、採点の結果、二人とも、リスニングセクションで、現在のスコアよりも低いスコアになってしまいました。 理由としては、これまで「稼ぎどころ」だった写真問題が10題になってしまった点がまず一点挙げられます。 また、パート3で、聞き取り音声が長くなったことや、旧形式以上に速読力が要求されていることが響いたみたいで、ここでの60問は、旧形式での50問での正解率よりもかなり低いものになってしまったようです。 さらに、10問、問題が追加されたパート4でも、「さすがに30問はきついです」と二人とも、途中で相当に集中力を失ってしまったようでしたね。 試験後の印象は、二人とも口をそろえて、「新形式では、現時点での英文の理解スピードや、リテンション能力では通用しない」というものでしたね。 さて、「新TOEICの対策は、旧形式のものから大きく変更する必要性があるのかどうか」について、現時点での私の結論を述べたいと思います。 答えは、NOです。 ただし、これは、旧形式のリスニングセクションでのスコアアップのために、既にこれまでも、英文の理解速度を高めるための取り組みを行ってきた、という学習者にのみ当てはまる結論です。 TOEICに限らず、実践的なリスニング能力を身につけるためには、英語の音そのものを聞き取る技術ばかりでなく、聞き取った英語の「意味」を理解するような能力を養成することが欠かせません。 そして、リスニング時に英語の意味を理解していくためには、ネイティブが話すスピードと同様のスピードで英文を理解していくような能力が必要であり、その英語の理解スピードを磨くことこそが、実はリスニング練習で最も大切なことなのです。 もし、あなたが、そのような「理解速度を高める」ことには本格的に取り組まずに、聞き流し練習だけでリスニング力を伸ばそうとしているのなら、これまで以上に、新TOEICリスニングパートでは、効果を挙げにくいものになってしまう可能性があります。 でも、あなたが既に、これまでも、リスニング能力を上げるために、聞き流し練習だけでなく、英語を理解するためのスピードを高めるような取り組みを継続されてきているのであれば、どうか、ためらうことなく、今の取り組みを続けてください。 いや、むしろ、今まで以上に徹底して、理解スピードを高めるための取り組みに集中することが大切になるはずです。 そして、このようなスピードは、数週間で身につくほど、生易しいものではありません。 ただ、かと言って、1年も2年もかかるほど、大変なものでもないのです。 英語の理解スピードを養成する方法は、当ホームページのメインテーマの1つでもあります。その方法を、トップページ(意外なリスニング練習法!)で掲載してありますので、また読んでいない方は、是非、一読してみてください。 |
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