意外に知られていない音読の"スゴイ"効果2/3
3.リスニング上達の秘訣とは?!
これまではとは大きく発想を変えた取り組みで予想以上に短期間で上達の壁を乗り越えてしまった河野さんですが、日々の学習時間そのものはそれほど変わっていないと言います。

それでは、その取り組みと従来の"聞き取り"型練習との違いはいったい何なのでしょう?
一言で言えば、取り組み内容が、これまでの"受身型"とは対照的に、"自発的(能動的)"であるという点だと思います。
つまり、従来の"聞き取り"型の練習は、前述しましたようにネイティブの"発音"に慣れるために、受身的にとにかく長時間、「英語を聞く」ことに徹するタイプの方法でした。
このやり方を昔、某大手英会話スクールが「イングリッシュ・シャワー」と呼びましたが、それは確かに英語の音に慣れ、そのいろいろと複雑な発音のルールに対しての認識を深めるという点では、まさに"王道"を行く不変の方法であると思います。
ところが、イングリッシュ・シャワーを続けていても、どうしてもあるレベル以上から上達しない、という人がたくさんいることもまた事実なのです。
私はある時、その理由が、
「ネイティブの話についていけないのは、"耳"ではなく"頭"のせいだ」
と気づき、目の前が一気に明るくなったのを覚えています。
つまり、あなたの英語の聞き取りへの苦手意識は、実は、自分が聞き取った英語の"意味"をネイティブが話す速度に合わせて理解していく力が不足していたことが原因だったのかもしれないわけです。
この英語の意味に対しての"素早い理解"こそが、リスニングの"本当の要点"だったのです。
そして、この要点を押さえるための練習方法というのは、これまでのように英語をたくさん流し聞くだけの受身的な取り組みだけでは十分ではないのです。
すなわち、
英語の意味の理解に対して、ネイティブが話す速度に負けないスピードで回転する頭脳を養成するためには、普段から英語を"自発的に考える"習慣をつけていくような取り組みをすること
が理想的であると言えるのです。
そのためのベストな方法が、意外に感じられるかもしれませんが、音読なのです。
4.音読は「ただ声を出せば良い」と考えてませんか?
音読というと、あなたは「話す能力」を高めるための練習として、むしろ思い浮かべるかもしれません。
この音読という練習、古くはカリスマ的同時通訳者の先生から、最近では話題の小学校の校長先生に至るまで、多くの提唱者に支えられて、すっかり世間に定着した感がありますよね。

ところで、あなたは、音読というと、具体的にどんなやり方を想定しますか?
「該当する英文を声に出し、リズム良く、発音に気をつけながら、途中で詰まったり言いよどんだりしないようになるまで、何度でも繰り返し、読んでいく」と、このようなイメージではないでしょうか?
とにかく、音読というのは、"声を出す"ことが重要なのだから、何十回、いや、何百回とただ声を出していくことにこそ意義がある、こう主張される人も多いことでしょう。
私は別に、「正しい音読法」を知っていて、それを説明しましょうなどと大それたことをしたいわけではありません。
ただ、どんな練習でもそうだと思うのですが、音読もちょっとした工夫を凝らすことによって、その効果が大幅に変わってくる可能性もあるということを言いたいのです。
工夫次第では、そんなに何度も何度も声が枯れるまで繰り返す手間をかける必要もなくなるかもしれないのです。
前述の河野さんが行ったやり方は、一口で言えば、
音読の時に頭の中で英文の意味を一回一回確かめる(考える)
という方法でした。
これは一見すると手間がかかって面倒くさそうですが、繰り返し音読する回数を大幅に削れるというメリットがあります。
しかもこれでかなり高い効果が現れたわけですから、学習時間そのものはかなり短縮できるわけですね。
最近、私の教室では、河野さん以外にも多くの受講生達がこの"工夫を加えた"音読に取り組み始めています。
その大半の人は、スピーキング力を伸ばしたくて始めるのですが、そのほとんどの場合、まずリスニング能力の大幅な改善を強く感じる人が多いのです。
では、いったい、なぜ、この音読がリスニング力の養成に効果をもたらすのでしょう?


