海外赴任を控えている人の効果的な直前リスニング対策術3/3
その5.英語を英語のままに理解するようになるための 意外な練習法とは?
英語の音を聞き分けるためには、英語の音に対しての「耳慣れ」が必要ですよね。
しかし、その「耳」がキャッチした「英語の意味」を理解するスピードを高めるためには、すでにお話しましたように、英文の構造と組み立てに対しての「慣れ」が必要だと私は思いました。
そこで、考えたのが、いかにしたら、英文の構造と組み立てに対して、十分に慣れることができるのか、ということでした。
最初、文法や構文の参考書を熟読していくことを考えたのですが、あまりにも、内容が多すぎて、読んでいるハナから、書いてあることを忘れていってしまう、という状態で、これはすぐにあきらめました。
次に、始めたのが、「読解練習」です。
主に英字新聞や雑誌の記事を中心に、なるべく速く読む練習を続けていけば、「理解スピード向上」に役に立つのでは、と考えたからです。
この考え自体は、間違っていなかったと思っています。
現に、私は、英語講師になって8年が経つ今日まで、日々の英文記事の読解を継続してきていますが、今では相当に速く読めるようになったからです。
ただ、「読解練習」では、練習の題材となる英文が、語彙が難しすぎたり、話されるものとしては長すぎたり、複雑すぎる傾向があり、「短期間」での成果を出すには、それだけではやや役者不足である気がしました。
そこで、私が思いついたのが「英作文」です。

実を言うと、その時の私は、英作文練習をリスニング力を伸ばすための練習と位置づけて、行ったわけではありません。
何をしても伸びないリスニングを半ばあきらめかけていて、「せめて話すことだけでもなんとかならないものか」と思って、考えた挙句のものが、英作文練習だったんですね。
ところが、すぐに、この英作文練習が、実は、意外にも、英語を話すことばかりでなく、聞くことにも大きな効果をもたらしてくれることがわかったんですね。
ただ、そのプロセスを考えてみれば、それほど意外でもありませんでした。
英作文は、英文の構造と組み立てを身につける、まさに、実践中の実践練習であるからです。
例えば、あなたも、手元にある新聞でも雑誌でも広告でもなんでもいいので、その中の日本文を、今、英文に直してみようとしてみてください。
不思議なもので、その瞬間に、英文の構造や、語句の組み立て方に、意識が向かうはずです。
読解練習が、時に、英文を日本語に和訳する「悪い癖」を作ってしまいかねない特徴があるのに対し、英作文練習では、英文を組み立てることを学ぶので、絶対にそのような癖が身につくこともありません。
最初、慣れないうちは、なかなか思うように、英作文をすることができませんでしたが、これは、結局、英文の構造とか組み立て自体に、私の頭が慣れていないことを示していたように思います。
その後、様々なニュアンスに対応する、幅の広い言い回しや構造、組み立てを短時間で英文にまとめるような練習を重ねていきました。
そして、それにつれて、自分のリスニング時での、英文の理解も、ネイティブの話す速度にだんだんと追いついてくることが増えてきたのです。
これは、英作文練習を重ねていくことで、私自身が、英文の構造、組み立てに慣れてきたので、話される英文を聞く時に、語順通りに理解していくことができるようになってきたからだと思います。
ただ、英作文練習といっても、振り返って考えてみると、大学受験の時に行ったような練習方法でやっていても、多分、うまくはいかなかったように思います。
私がうまくいった理由は、「あるイメージ」を持って取り組んだからだと思っています。
その6.話すための練習が、リスニングを短期で 伸ばすベストメソッドだった!
そのイメージとは、英語を「話している」時の自分です。
話している自分をイメージしながら英作文練習を行うと、自然と、頭の中に「スピード」が意識されるものです。
それは、ちょうどメトロノームを使いながら、ピアノを練習している人のようなもので、頭の中にあるリズムとスピードを刻みながら、英文の構造や語句の組み立てに思いを巡らせられるようになってくるんですね。
実際、私は、ある程度、英作文に慣れてきた頃になったら、日々の練習を紙に書いて行うというよりも、直接、考えると同時に、声に出してみるようにしていきました。
こうすることで、自分の中で、英文の構成を決め、語句を組み立てていく速度を、日増しに高めていくことができたのです。
この練習のおかげで、冒頭でお話した初めてのオーストラリアでの「海外任務」の時も、なんとか、自分の思いを全て相手に伝えることができ、ビジネスを取りまとめることに成功しました。
そして、「英語を話す能力」を磨くための練習のプロセスの中で、自分のリスニング力も、これまでの壁を越えて、伸ばすことができたのです。

あれから、オーストラリアやアメリカには何度もビジネスで行っていますが、その都度、あの8年前の身の引き締まるような経験を思い出し、なつかしくなります。
でも、あの時、ものすごい不安の中でなんとかコミュニケーションを成立させて、交渉を成立させた、という自信と、その前の6ヶ月間にわたる集中的な取り組みが、今でも自分の中では宝物だと思っています。
その後、スクールで教鞭をとりながら、当時の私と同様に、数ヵ月後に海外出張や赴任を控えた人達が多く訪ねて来られるのを見てきました。
私は、そういう人達全員に、この自分の経験をお話し、「こんな自分にもできたのだから、あなたにもできないはずがありません」ということをお伝えするようにしています。
また、実際、私と同様の取り組みで、能力を大きく伸ばすことに成功していく人達を目の当たりにしていく中で、この取り組み自体を教材にまとめてみることにしました。
そして、完成したのが、オリジナルリスニング教材「英語筋力増!教材」です。
この教材には、私自身の経験、受講生の皆さんの経験とご要望、当校のネイティブ講師達の協力のもとに作成されています。
そのため教材で使われている英文の表現もネイティブが使う独特の言い回しを多用し、また忙しくても毎日継続してトレーニングできるように、1日の練習時間を20分~30分で終えることができるように構成されています。
既にお話しましたように、話す力をつけて、聞く力を大幅に伸ばす方法ですので、リスニング力だけでなく、スピーキングにも、もちろん効果的な練習法です。
あなたがもし、8年前の私と同じ悩みと状況を抱えていらっしゃるのなら、きっとお役に立てるはずです。
次ページに「英語筋力増!教材」のコース内容を詳述しましたので、参考になさってください。


