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私は、まず最初に、これまで自分が行ってきた、リスニングに対する取り組みをチェックすることにしました。 それまでは、リスニング力を伸ばすための練習なのだから、ネイティブの実際の音声を長時間、耳に浴びせるような、聞き取り練習をただひたすら行うことだけしか、考えていなかったからです。 実際、私は、それまでに、留学もしたくらいですから、相当に聞き取り練習を行って、英語の音に対して「耳慣れ」はしたつもりではいました。 しかし、それでもなお、テキストなどで一度、すでに聞き取り練習をしたものなら、聞き取れるのですが、いつまで経っても、テキスト以外の新しい英語を聞き取れるようにはなれませんでした。 こうして、私の中には、すっかり、リスニングに対する"苦手意識"が植えついてしまったのです。 ところが、ある時、偶然にも、それまで全く気づかなかった「ある事」に気づきました。 それは、キャプションデコーダーという英語の映画やニュースの音声を、耳の不自由な人のために、画面上に、英語字幕にして読めるようにするための装置を使った時のことです。 私は、留学中にたくさんのビデオを購入してきたのですが、それをいざ日本で観ようとしても、当たり前のことながら日本語字幕がありません。そのため、リスニングが大の苦手の私には、せっかく買ってきた映画のほとんどが理解できなかったのです。 そこで、最低限、英語の字幕だけでも出れば、それを読んで、何とか理解できるだろう、という理由から、この装置を購入することを決めました。 そして、それが今から思うと大正解だったのです。 そのデコーダーを使って、ある映画を観ていた時です。それは、ケビン・コスナー主演のJFKで、著名な検事役に扮したコスナーの、裁判での数十分にわたるモノローグ(一人しゃべり)がおもしろくも、とっても高度な英語でした。 私は、コスナーのモノローグの内容をなんとしてでも理解しようと、何度も何度も巻き戻して聞いてみました。しかし、コスナーの話すスピードが速すぎて、途中からどうしてもついていけなくなってしまうのです。 キャプションデコーダーを使って、画面の字幕を読んでいるというのに、どうしてもついていけませんでした。
つまり、英文によっては、ネイティブが話す速度に合わせて、その内容を理解していくことができない、ということが自分の弱点じゃないのか、ということにです。 画面の字幕を観てその英文を理解しようとしても、コスナーのしゃべりが速すぎて、その字幕の内容に「頭の回転」がついていかなったことがそれを物語っていると思いました。 振り返ってみると、この気づきが、私のリスニング力向上の大きなターニングポイントになりました。 それがあったからこそ、その後、自分のリスニングの取り組みに対して、大きな「発想の転換」を行うことができたからです。 すなわち、それまでは、「聞き取り練習不足=英語の音への耳慣れ不足=リスニングができない原因」と考えていたのが、「自分の弱点=英語の理解スピードが足りないこと」に気づいたら、「ちょっと待てよ」と思えてきたんですね。 だって、そんな自分の弱点は、それまで信じてきたような「聞き取り練習の積み重ね」だけでは、克服できそうにありませんでしたから。 「英文を速く理解する」ために、「英語の音が聞ける」ようになるための練習だけをどれだけ一生懸命に行ってみても、成果はあがらないことは、当たり前と言ってしまえば当たり前ですよね。 例えば、1年間、毎日、ラジオでドイツ語ばかりを聞いていれば、その音に対して耳が慣れてきて、聞いた瞬間に「あ、ドイツ語だ!」ってわかるようにはなるでしょうけど、意味までは絶対にわかるようにはならないはずですから。 その時、なんとなく、自分のリスニングがこれまで全然、伸びてこなかった原因がわかったような気がしました。 そこで、私は、自分の弱点を改善することができるような方法を探し始めることにしたのです。
「聞き取り練習不足から生じる音慣れ不足」に自分のリスニング苦手の原因を求めるのをやめ、私は、自分の「英語の理解スピード不足」を解消することに集中し始めました。 そこで、まず、自分がなぜ英文を速く理解することができないのか、を考えることにしたのです。 その時点でも、大学受験や留学での経験もあるので、英文そのものを理解するための文法知識は、それなりにはあると思いました。 語彙については、そんなに自信はありませんでしたが、それでも、映画を英語字幕を出して観ていて、ネイティブが日常会話の中で多用するような表現は、そこそこ知っていることはわかりました。 それでは、何が問題なんだろうって、さらに考えていくうちに、以下の二つの「問題点」が浮かんできたのです。 問題1: 問題2:
例えば、英文で、(I give A to B because C is D)というような構造を見た時に、頭の中でその語順通りに「私がAをBにあげるのは、CがDであるからだ」とはなかなか即座に考えられないんですね。 それよりも、つい、英文全体を1回読んだ後で、後ろから「CがDであるので、私は、BにAをあげるのだ」という順序で理解しようとしてしまう。 このように、英文全体を最後まで読み、その構造を頭の中でいったん「絵」のようにイメージ化してからじゃないと、全体の意味を理解できないことは、スピーディに英文を理解することの大きな妨げになり得ますよね。 まして、このような一連のプロセスを経てようやく構造を把握したものを、そのうえでなお、「日本語」に訳そうとしていたのでは、ますます、時間がかかってしまうわけです。 ということは、逆に考えれば、英語の構造や組み立てがよくわかっていれば、最初の英文全体を最後まで読み「頭の中で構造をイメージ化して理解する」というようなプロセスを省くことができるようになるのではないでしょうか? さらに、英文を日本語に訳さずに、英語のままで理解していけるようになれば、英文を語順通りに読む(聞く)と同時に理解できていけるようになるのではないでしょうか? そうすれば、ネイティブが話す速度で英文を理解していくことも無理な話ではないような気がする、私は、そのような仮説に辿りついたのです。 思えば、これは、本当に大きな発想の転換でした。 長い間、リスニングができないのは、聞き取り練習が足りないからだ、と思っていたのです。 しかし、自分が留学までして、それなりに聞き取り練習には時間を割いてきたつもりなのに一向にリスニングができるようにならないので「何かが違う」と感じ始めました。 そして、辿り着いた仮説が、「英語の理解スピードをネイティブの話す速度にまで高めることができれば、英語を聞くと同時に理解できるようになるはずだ」という"新しい"考えだったんです。 私は、それからの半年間、「英語の理解スピードを高める」ための練習に、徹底的に集中しました。 そして、ついに、生まれて初めてと言っていいほど、大きな成果が出たのです。 それは、まず、TOEICのリスニングで満点近いスコアとなって現れ、その後、冒頭で話しました「海外での初仕事」を無事やり遂げる、という形となって結実してくれました。 それまで、留学までしたのに、なかなか伸びてくれなかったリスニングですが、土壇場になって、この取り組みを思いつき、ついに、ネイティブの話がわかるレベルにまで到達してくれたのです。 それでは、最後に、私が行った「理解スピードを高める」ための練習法を説明しましょう。 2/3 >>次のページ(英語を英語のままに理解するようになるための意外な練習法とは?)へお進みください |
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